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- 磁石の基礎知識
姫路電子では、様々な用途や目的に適した豊富な種類の磁石をご用意しています。こちらでは代表的な種類や特徴をご紹介します。
鋳造磁石 | アルニコ磁石 |
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高磁束密度、磁性の温度依存性が小さい、低温減磁・熱減磁が起こりにくい、強度が非常に高いなど、極めて安定した性能を持っています。コバルト、ニッケルの供給問題などから価格の安いフェライト磁石にシェアを譲りつつありますが、計器用を中心に根強い需要があります。 |
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鉄・クロム・コバルト磁石 | |
鉄・クロム・コバルトを主成分とする磁石です。アルニコ磁石の特徴を有しながら残留磁束密度がさらに高く、塑性加工が可能です。また、コバルトの量がアルニコ系磁石よりも少なく、省資源型であると言えます。 |
フェライト磁石 | Ba系・Sr系 |
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あらゆる分野で使用されている、汎用性の高い磁石です。主成分は酸化鉄による粉末冶金品で、残留磁束密度はやや低いものの、保持力が高いという大きな特徴を持っています。比較的安価である一方、もろい性質があり、切断・穴あけなどの加工には向きません。 |
希土類磁石 | Sm-Co系(1-5、2-17系) Nd-Fe-B系 |
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最大エネルギー積などの性能が高い磁石です。希土類元素である材料を使用しているため、非常に高価です。近年、電子機器をはじめとした各種産業機器において需要が増加しています。 |
ボンド磁石 (柔軟磁石) |
フェライト系 Sm-Co系 Nd-Fe-B系 |
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「ゴム磁石」「塩ビ磁石」「プラスチック磁石」などとも呼ばれます。 |
磁石の種類は多々ありますが、各メーカーによりさらに細かく分類されています。詳しい特性を把握するには、細かな数値を見て判断する必要があります。こちらでは特性表の見方を解説します。
残留磁束密度(Br) | 磁石に飽和するまで磁界をかけ、次に磁界を減少させて、磁石に加わる磁界を零にしたときの磁石が持っている磁束密度をいいます。 |
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保持力(bHc) | 磁石に加わる磁界を零にし、さらに逆方向に磁界をかけていくと、磁石の磁束密度が零になります。このときにかかる磁界の大きさです。 |
保持力(iHc) | 磁石に加わる磁界を零にし、さらに逆方向に磁界をかけていくと、磁石の磁束密度が零になります。このときの磁界の大きさです。 |
最大エネルギー積(BHmax) | 磁石がもつエネルギーの大きさであり、外部の空間に出せる磁石単位体積当たりのエネルギー量です。ヒステリシス曲線のB-H曲線上(第2象限)の磁束密度Bと磁場Hの積に比例します。 |
熱は磁石に大きな影響をもたらします。磁石を加熱しキュリー温度(※)に達すると、磁石はその磁力を失ってしまい、冷えても回復しません。使用環境によってはキュリー温度を考慮して磁石を選ぶ必要があります。
※キュリー温度……温度上昇とともに徐々に磁力を失い、完全に磁力を失ってしまう温度。
磁石の種類 | キュリー温度 |
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フェライト磁石(異方性・等方性) | 約450℃ |
アルニコ磁石 | 約850℃ |
サマリウム・コバルト磁石 | 約700~800℃ |
ネオジム磁石 | 約320~340℃ |
※通常品での耐熱温度です。ネオジムはグレード指定により、200℃まで適応可能となります。